先週末のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅下落した。東京タイムで一時148.80円と昨年11月28日以来の高値を更新するなど週を通して大幅に上昇したこともあり、反動の売りに押された。米長期金利が伸び悩んだことも重しに148円手前まで押し戻された。米消費者の期待インフレが下振れしたこともドルの重しとなるなか、ユーロドルは取引終了間際に1.0898ドルと日通し高値を更新した。ユーロ円は米株高も支えに161円半ばまで持ち直し下値の堅い動きとなった。
本日の東京タイムでは主な経済指標や注目のイベントは予定されておらず、株価・時間外の米長期金利の動向を睨みつつ本日から明日にかけて開催される日銀金融政策決定会合の結果待ちとなる。日経平均は神経質な動きながらも先週に約34年ぶりの高値を更新するなど堅調な動きになっているが、中国の上海総合指数は先週末に3年8月ぶりの安値を更新するなどさえない動きが続いている。中国株の下落の勢いが増すと市場に不安感を与えリスクオフの動きが強まる可能性がある。
また、米10年債利回りは先週末に前日比で低下して取引を終えたものの、一時4.19%台と昨年12月13日以来の高水準を更新するなど、今年に入って再び上昇に転じており、ドル円の下支えとなっている。米ミシガン大学が先週末に発表した1月の消費者信頼感指数(速報値)が2021年7月以来の高水準となったことを受け、米金利先物市場では米連邦準備理事会(FRB)が5月まで利下げを開始しないとの見方が強まっている。
日銀の早期政策修正観測・FRBによる早期利下げ観測の後退を背景としたドル買い・円売りの流れが続いており、ドル円は底堅い動きが予想されるが、明日の日銀会合の結果と植田日銀総裁の会見を見極めたいこともあり、本日は様子見ムードが強く調整手動の動きにとどまりそうだ。今月末の30-31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて先週末からブラックアウト期間に入ったが、ウォラーFRB理事やボスティックアトランタ連銀総裁などFRB高官から早期利下げ観測をけん制する発言が先週も相次いだ。今週の日銀金融政策決定会合では、現状維持がコンセンサスとなっている。本日のドル円は148円を挟んでの小動きが見込まれるも、日銀の政策イベントを無風で通過すれば心理的節目の150円の大台が視野に入りそうだ。
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