【中銀チェック】米FOMCは現状維持見込み
1月30日、31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は現状維持で市場の見方がほぼ一致しています。
昨年末まで市場は3月のFOMCでの利下げを織り込んでいました。
短期金利先物市場動向から見た政策金利見通しを示すCMEのFedWatchToolでは、
一時88%の利下げを織り込む動きが見られました。
1月に入っても3月の利下げ見通しが継続し、5日の12月米雇用統計、11日の12月米消費者物価指数などの強めの数字を受けても利下げ見通しはかなり強い状況となっていました。
しかし、その後も米指標の強さが示されると、じりじりと利下げ期待が後退。
これまでの利上げを受けて警戒感のあった個人消費や住宅関連指標などが堅調さを示したことなどを材料に、早期の利下げは必要ないのではとの思惑が広がってきました。
25日に発表された米第4四半期GDP速報値が予想を大きく上回ったことも早期利下げ期待の後退につながりました。
米第4四半期は市場予想の+2.0%に対して+3.3%の強い伸びとなりました。
個人消費が+2.8%と力強い伸びを示したこと、第3四半期弱めに出た設備投資が+1.9%と改善したこと、
強く出た第3四半期の反動と高い住宅ローン金利などにマイナス圏の可能性まで警戒されていた住宅投資が+1.1%と踏みとどまったことなどがGDPの予想を超える伸びにつながりました。
こうした強めの米指標結果を受けてCMEFedWatchToolでも据え置きが50%を超える状況となりました。
3月のFOMCで利下げを実施する場合、今回のFOMCの声明やパウエル議長会見で何らかのヒントが出るとの期待がありました。3月開始期待が後退したことで、今回の会合では従来姿勢を踏襲するとの見方が強まっています。
波乱要素は少ないですが、早期の利下げを期待する動きも根強く残っていますので、声明や会見での今後に対する表現などで状況が変わる可能性があります。
利下げ期待が再び強まるようだとドル売りになりますので要注意です。
MINKABU PRESS 山岡和雅
みんかぶ(FX)