29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.05%台まで低下したことで147.26円まで下落した。ユーロドルは、欧州債利回りの低下に伴うユーロ売り・ドル買いで1.0796ドルまで下落後、米長期金利の低下を受けて1.0841ドル付近まで下げ幅を縮めた。ユーロ円はECBの早期利下げ観測を背景に159.42円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利の低下や本日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)でのハト派的な声明への警戒感から上値が重い展開が予想される。
本日からのFOMCでの注目ポイントは以下の通りとなっており、金融引締めから金融緩和への転換という3月FOMCでの利下げ開始の序曲となるハト派的な見解が警戒されている。
・2023年3月からずっと声明に盛り込まれてきた「追加的な金融政策の引き締め(any additional policy firming)」という文言が削除される可能性。
・資金市場への配慮から月950億ドルの量的金融引締政策(QT)の見直しが示唆される可能性。
・昨年12月のパウエルFRB議長の発言「リスクは均衡している」を裏付ける形で、FRBの二大責務(物価安定と雇用の最大化)のリスク均衡が確認される可能性。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、本日からのFOMCでのFF金利誘導目標5.25-50%の据え置きがほぼ確実視されているが、3月19-20日のFOMCでは、据え置き確率が52%台、5.00-25%への利下げ開始確率が46%台になっている。
昨年のドル円は、早期の米連邦公開市場委員会(FOMC)による利下げ開始と日銀によるマイナス金利解除観測から、昨年11月13日の高値151.91円から12月28日の安値140.25円まで11.66円下落した。
今年は、日米金融政策の早期転換観測の後退や新NISA(少額投資非課税制度)による円売り圧力などから、半値戻し(146.08円)や61.8%戻し(147.46円)を上回り148.80円まで上昇した後、伸び悩む展開となっている。
ドル円の一目均衡表でのテクニカル分析は、三役好転の強い買いシグナルが点灯しているものの、攻防の分岐点である転換線147.73円を下回って推移していることで、売りシグナルが点灯する可能性が高まっている。
9時30分に発表される昨年12月豪小売売上高は前月比-1.0%と予想されており、ブラックフライデーのセールが寄与して前月比+2.0%と2年ぶりの高い伸びとなった11月からの反動が見込まれている。
2月5-6日の豪準備銀行(RBA)理事会に向けては、明日31日に発表される12月および10-12月期消費者物価指数(CPI)が重要であることで、小売売上高による市場への影響は予想を大幅に下回らない限り限定的だと思われる。
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