本日のNY時間のドル円は、引き続き米債の動向に一喜一憂する値動きとなるだろう。しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にトレンドを作り、大きな値動きを期待するのは難しいか。
昨日は米長期金利の低下を受けてドル円はじり安となった。米金利の低下は先週の欧州中央銀行(ECB)理事会後のラガルドECB総裁のハト派発言に加え、昨日のECB要人の発言が欧州金利の低下を促したことに連れた面もある。ただ、1月の製造業やサービス業の購買担当者景気指数(PMI)速報値を比較しても、ドイツがそれぞれ45.4と47.6となり、景況の強弱を判断する節目50を下回っていたが、米国はそれぞれ50.3、52.9になるなど、両国の景気に関する指数には乖離がある。米連邦準備理事会(FRB)がECB同様にハト派になると過度に期待するのもリスクがありそうだ。
明日のFOMC及びその後のパウエルFRB議長の会見までは、トレンドを作る相場展開を期待するのは難しいものの、本日は米国から経済指標の発表が複数予定されていることで、指標の結果次第で米金利やドルが多少は動意づくこともあるだろう。
米国の経済指標は11月の住宅関連指標(住宅価格指数・ケースシラー住宅価格指数)、1月消費者信頼感指数なども発表されるが、注目度が高いのは12月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数になる。市場予想は875万件となっているが、予想と大幅に乖離が生じた場合にはドル買い・ドル売りのどちらサイドにも敏感に反応するだろう。
なお、明日の月末を控え、徐々にロンドン16時(日本時間1時)のロンドンフィキシングでの値動きが激しくなることもあり要警戒となる。先月は月末前日に円売り・ドル買いが急速に進んだように、本日も同時刻には市場が急変する可能性もあることには警戒したい。また、NY株引け値後にアルファベットとマイクロソフトの決算が発表されることで、株先が動意づくことになりそうだ。
・想定レンジ上限
本日早朝の米財務省の借り入れ予想額の報道が流れるまでの安値147.60円近辺。その上は昨日欧米時間の高値148.09円前後。
・想定レンジ下限
147円をクリアに割り込めば、日足一目均衡表・雲の上限146.44円。
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