本日のNY時間のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)での声明文や、その後に行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長定例記者会見次第になるだろう。
本日のFOMCでは5.25-5.50%で据え置きはほぼ確実で、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」でも約98%が据え置き予想となっている。その一方で3月は据え置きが54.4%、利下げが45.6%と拮抗していることもあり、声明文や会見でどのような文言が出るかで大きく振幅することが予想される。ここ最近は、欧州中央銀行(ECB)要人のハト派発言や、本日の仏消費者物価指数(CPI)の下振れなどで、欧州金利の低下に連れて米長期金利も徐々に低下幅を広げている。しかし、欧米の間では景気に関する経済指標も乖離があることで、FRBがECBと同様に早期に利下げに動くと決めつけるのはリスクが高いだろう。
12月に行われたFOMCでは、当局者らは政策がしばらくの間、制限的なスタンスを維持することが適切であると議事要旨では公表されたが、同時に「2024年末までの利下げ予測を認識」とも示されている。また、パウエルFRB議長は「現状維持が長すぎるリスクを認識」とも発言したことで、これらの見解が変わるのかなどが注目される。
なお、最大の注目はFOMCではあるものの、本日は月末ということもありロンドン16時(日本時間1時)のロンドンフィキシングには要注意となる。昨日はフィキシング前の12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が良好な結果だったことで、米金利の上昇とともにドル円は強含んだがフィキシングに絡んだドル買いも入っていたとの声もあった。もっとも、昨年12月の月末フィキシング前日の28日は同様にドル買い・円売りとなったが、月末29日は一転してドル売り・円買いに傾いたことで、フィキシングが買いか売りかを判断するのは現時点では難しいだろう。
・想定レンジ上限
ドル円は、29日高値148.34円。その上は19日高値148.80円。
・想定レンジ下限
ドル円の日足一目均衡表・雲の上限146.44円。その下は16日安値145.59円。
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