本日22時半に1月の米雇用統計が発表される。
市場予想は非農業部門雇用者数が前月比18.5万人増、失業率が3.8%、平均時給が前月比0.3%増、前年比4.1%増。
前回12月の米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が前月比+21.6万人と、市場予想の+17.0万人を大きく上回る伸びとなった。ただ、10月分が+15.0万人から+10.5万人、11月分が+19.9万人から+17.3万人に計7.1万人の大きな下方修正となっており、その反動という面もあった。
前回の内訳を確認すると、製造、建設、鉱業などからなる財部門は、全体+2.2万人とまずまずとなった。ただ、その中心となる製造業は+0.6万人とやや冴えない伸びになっている。労働紛争の関係で11月が強く出た自動車部門がマイナスとなり、全体を押し下げた。
サービス部門は全体で+14.2万人としっかりした伸びとなった。教育・医療サービスが+7.4万人、娯楽・接客業が+4.0万と全体を支えた。両部門はこれまでも堅調な雇用の伸びを見せており、雇用市場を支えている。娯楽接客業に関しては、単体の部門として最大の雇用者数を抱える飲食部門(レストラン、バーなど)が+2.21万人と好調さを維持している。
11月が-2.4万人と弱くでた小売業は+1.7万人と回復を見せた。一方で運輸・倉庫は-2.3万人と3カ月連続でマイナス圏。両部門は比較的景気に敏感な部門で、両部門のまちまちな結果は微妙な状況を示している。雇用の先行指標と言われるテンポラリーヘルプサービスは-3.3万人と、11カ月連続でのマイナス圏。
続いてこれまで発表された関連指標。
週間ベースの新規失業保険申請件数は、調査期間(雇用統計は基準日である12日を含む1週間の数字)の被るところで比べて、12月の20.6万件から1月は18.9万件と好結果。
30日の12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は902.6万件と、市場予想の870.0万件を大きく上回った。11月も879万件から892.5万件へ上方修正された。同時に発表されたコンファレンスボード消費者信頼感指数は114.8と市場予想の112.0を上回った。内訳の内、雇用に関する数字が強く、全体の好結果につながっている。
31日の1月ADP雇用者数は10.7万人増と市場予想は14.7万人及び12月の15.8万人から伸びが鈍化した。
1日の米ISM製造業景気指数は49.0と市場予想の47.0を上回った。前回値は47.1と速報時の47.3から小幅下方修正。
内訳をみると新規受注が52.5とと12月の47.0から一気に改善した。生産も50超えと好結果になったが、雇用部門は47.1と前回の47.5から鈍化した。11月は46.1となっており、前回の改善から少し調整。
こうした状況を踏まえた今回の米雇用統計の予想であるが、非農業部門雇用者数の前月比+18.5万人はまずまずという印象。前回感は伸びが鈍化も水準的には低いというほどではない。失業率、平均時給も、強くはないが、弱くもないという数字。
予想前後であれば、米雇用市場は底堅いという印象。ただ、ドル売りの流れを崩すほどの勢いは出ないのではという印象。
MINKABU PRESS 山岡和雅
みんかぶ(FX)