本日のロンドン為替市場でも、先週末から強まった欧州通貨安ドル高の流れを意識しながらの取引となりそうだ。
昨日はロンドン終盤に発表された米国の1月ISM非製造業景況指数が市場予想を上回り、ドル買いに勢いがついた。先週末に発表された同月雇用統計とともに景気の底堅さが確認され、同国金利の先安観が急速に後退している。
一方で、欧州経済のけん引役であるべきドイツ経済がさえない。昨日は経済協力開発機構(OECD)が同国の2024年成長率予測を0.3%と、前回11月に出した見通しよりも0.3%下方修正した。ユーロ圏全体でも今年の経済成長率は0.6%と前回予測から下振れ。米国の2.1%成長予測(0.6%上方修正)との違いが際立っている。
またリントナー独財務相は昨日、出席したイベントで同国がもはや競争力に勝っていないことを認めた。経済が成長できず、他国から遅れをとっているとの懸念を示している。そういった状況のなか、本日は12月独製造業新規受注が発表予定。前月比は前回プラスからマイナスに沈み、前年比がマイナス幅を広げると見込まれている。低調な結果が確認されてしまうと、ユーロドルが下押す場面があるかもしれない。
ポンドドルも昨日、1.2560ドル台の200日移動平均線を割り込んで下値を広げた。英中銀のチーフエコノミストでもあるピルMPC(金融政策委員会)委員の発言もポンド売りを強めたようだ。ピル氏は足もとの状況について「利下げできるほどインフレにまだ自信ない」としながらも、今後の政策については「利下げをするかどうかではなく、いつやるか」との見解を示した。
英MPCのなかには依然として利上げを主張する委員はいるものの、金融政策の軸足が金利引き下げに移りつつあるようだ。英金利先安観が強まるようであれば、先週後半から入り込んだ厚い日足一目均衡表・雲を割れも視野に入ってくるか。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0813ドル
・ポンドドル、5日高値1.2640ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、2023年11月10日安値1.0656ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・雲の下限1.2449ドル
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