6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は148円後半から147.83円まで下落、ユーロドルは1.0723ドルから1.0757ドル付近まで持ち直した。米金利上昇が一服し、ドルの重しとなった。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利の低下を受けて上値が重い展開が予想される。
昨日のドル円の高値は148.79円、米10年債利回りは4.16%まで上昇する局面があった。しかしながら、同債利回りが4.07%台まで低下したことで147.83円まで反落。今年のドル円の高値水準と米10年債利回りの関係は、1月19日が148.80円で4.19%、2月5日が148.89円で4.17%となっている。
昨年のドル円は、早期の米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始と日銀によるマイナス金利解除観測から、11月13日の高値151.91円から12月28日の安値140.25円まで11.66円下落した。米10年債利回りは11月13日には4.69%台へ上昇したものの、12月28日には3.79%台へ低下していた。
今年は、日米金融政策の早期転換観測の後退や新NISA(少額投資非課税制度)による円売り圧力などから、昨年末の下落幅の半値戻し(146.08円)や61.8%戻し(147.46円)を上抜けて、76.4%戻しの149.16円に迫っている。
ドル円が149円の手前で伸び悩んでいる要因としては、日銀会合での「物価見通しが実現する確度」への言及により、春闘での賃上げ確認後にマイナス金利が解除される可能性。また、5月FOMCでの利下げが開始される可能性が残されていることなどがあるのかもしれない。
昨日発表された12月毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は前年比1.9%減と21カ月連続のマイナスとなったが、減少率は2カ月ぶりに縮小した。名目賃金は1.0%増と24カ月連続でプラスとなり、実質賃金の改善に寄与していた。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、3月のFOMCでの0.25%の利下げ開始確率は20%程度、据え置き確率は80%程度。5月FOMCでの利下げ開始確率は55%程度、年内の利下げ予想は5回で、12月FOMCでのFF金利予想は4.00-25%となっている。
なお、昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドット・プロット(金利予測分布図)では、今年末時点でのFF金利は4.6%(※4.50-75%)と予想されており、0.25%での3回の利下げが示唆されていた。
パウエルFRB議長は先日のCBSニュースの番組「60ミニッツ」で、利下げ開始に関して、「拙速に行動することの危険性」に言及していた。そして、2021年までに、「インフレ高進は一時的」との判断から、「拙速」な利上げに踏み切らなかったことを後悔していた。
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