【これからの見通し】ドル相場が混とんとするなかで、再び円売りが脚光浴びるか
きょうは日銀の内田副総裁の発言で、円売りが勢い付いている。「マイナス金利を解除しても、どんどん利上げをしていくようなパスは考えにくい」との発言を好感して日経平均は大幅高となっており、為替市場ではドル円相場が148円ちょうど付近から足元では148.60台まで買われている。先週につけた今年の高値148.89レベルを視野に入れる動きとなっている。クロス円も同時に買われており、現状は「円安局面」となっている。
その一方で、ドル相場は混とんとしている。米債利回りの上昇が一服しており、目先は「調整局面」となっているようだ。ユーロドルやポンドドルは先週、ドル高方向に抜け出す動きをみせたものの、今週は買い戻されており、再びレンジ相場模様となっている。ドル高一服とともに円安圧力がユーロやポンドの下支えとなる面もあるようだ。
今年は米英欧など主要中央銀行が利下げを開始する年になる、とみられている。実際、各金融当局者の発言からは追加利上げの必要性を説く論調は消えつつある。ただ、中東地政学リスクの台頭や根強い賃金およびサービス価格の上昇圧力に対する警戒感が残っており、「いつ利下げを開始するのか」に市場も当局者も頭を悩ませている状況だ。そのなかで、短期金融市場での利下げ開始時期は3月からといった早期から春夏へと焦点がぼけてきている状況だ。インフレ鈍化ペース加速といった決定打がでてこなければ、ずるずると年後半に利下げ開始が先延ばしされるリスクもありそうだ。
この後の海外市場では、内田日銀副総裁発言を受けて円安相場の持続性をチェックしたいところだ。
経済指標の発表予定は、南ア製造業生産高(12月)、米新規失業保険申請件数(01/28 – 02/03)、米卸売在庫(確報値)(12月)など。米新規失業保険申請件数の数字が前回から大幅にブレない限りはあまり材料視されないものとみられる。
発言イベント関連では、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、ウンシュ・ベルギー中銀総裁、レーンECBチーフエコノミスト、マン英中銀委員、バーキン・リッチモンド連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。ECB経済報告が公表される。米30年債入札(250億ドル)が実施される。イエレン米財務長官が上院銀行委員会で金融安定監視評議会(FSOC)年次報告について証言する。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
みんかぶ(FX)