13日22時半に1月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。
前回12月の米CPIは前年比+3.4%と、11月の+3.1%から伸びが加速しました。市場予想の+3.3%と比べても強い伸びでした。一方、食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比+3.9%と、11月の+4.0%から伸びが小幅ながら鈍化しました。ただこちらも市場予想の+3.8%を上回る伸びとなっています。前月比は+0.3%(2月9日発表の改定で+0.2%に下方修正)と9月分以来の高い伸びとなりました。コア指数は+0.3%でした。
前回の内訳をみると、エネルギー価格が前年比が-2.0%と11月の-5.4%からマイナス幅を大きく縮めました。なかでもガソリン価格は11月の-8.9%から-1.9%までマイナス幅縮小が見られました。食品価格は前年比+2.7%と11月の+2.9%から鈍化。2022年8月をピークに16カ月連続での伸び鈍化となりました。エネルギー価格の鈍化一服が全体を押し上げた形です。
コア指数は財部門が11月の横ばいから+0.2%となりました。14カ月連続でマイナス圏の中古車価格は11月の-3.8%から-1.3%にマイナス幅が縮小しており、全体を押し上げる形となっています。サービス部門は全体の34.8%、コアの43.7%のウェイトを占める住居費の鈍化が続き、11月の+6.5%から+6.2%となりました。帰属家賃、賃料共に伸びが鈍化傾向にあります。ただ自動車保険が+20.3%になるなど、輸送サービスの伸びが強いことなどを背景に、サービス全体では+5.3%と11月の+5.5%からは鈍化も小幅なものとなっています。
今回の予想は前年比+2.9%、コア前年比+3.7%と12月から鈍化見込みです。前月比は+0.2%、コア前月比+0.3%と12月と同程度の伸びが見込まれています。
12月、全体を押し上げる結果となった米国のガソリン価格について、米エネルギー情報局(EIA)による全米全種平均で12月の1ガロン=3.257ドルから1月は3.197ドルに低下。前回見られた前年度の変化による見かけ上の変化についても、2022年12月から2023年1月にかけてガソリン小売価格が上昇していることから、見かけ上の低下幅が大きくなる形で作用します。
また、米国のインフレターゲットの対象であるPCEデフレータは12月、全体が11月と同水準の+2.6%、コアが11月の+3.2%から+2.9%に鈍化、CPIも12月分の下方修正が発表されるなど物価の鈍化傾向が継続していると見られることから、市場予想前後の伸び鈍化は十分にありそうです。
市場予想前後の鈍化が見られても、3月の利下げ開始期待が復活することは難しいと見られますが、一時は100%織り込む勢いであった5月までの利下げ開始について、期待を支える材料としてドル売りにつながる可能性があります。
MINKABU PRESS 山岡和雅
みんかぶ(FX)