20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.24%台まで低下したこと、予想を下回った1月米景気先行指標総合指数などで149.69円まで下落後、150.07円付近まで反発した。ユーロドルは米長期金利の低下を受けて1.0839ドルまで上昇。ユーロ円はユーロドルの上昇につれて162.36円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、引き続き日経平均株価の史上最高値の更新期待から底堅い展開が予想されるものの、米10年債利回りの伸び悩みが上値を抑える展開が予想される。
先週16日の日経平均株価は38865.06円まで上昇し、1989年12月31日のザラバの高値38957.44円に92.38円、終値38915.87円に50.81円まで迫っており、本日のドル円は、日経平均株価の史上最高値の更新期待から底堅い展開が予想される。
しかしながら、ドル円の上値は、米10年債利回りの伸び悩みや円売り持ちポジションの利食い、そして本邦通貨当局による円安抑制への警戒感などで限定的だと思われる。
岸田首相は、今年の春闘で昨年を上回る賃上げを実現して、6月の定額減税とあわせて実質賃金をプラスにして、消費を活性化させて、9月の自民党総裁選での再選を目論んでいると思われる。そのため、ドル高・円安による輸入物価の再上昇は阻止したいはずであり、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の警戒感を高めている。
本邦通貨当局からの介入への警告は、「投機的な動きは容認できない。必要であれば適切な措置を講じる」が挙げられる。そして、介入が視野に入る局面では、「行き過ぎた相場の動きに対してはあらゆる措置を排除しない」「行き過ぎた/投機的な相場の動きに対しては断固たる措置を取る用意」が挙げられる。
すなわち、14日の神田財務官の発言「必要があれば適切に対応する」は警告段階であり、介入が実施される直前の「あらゆる措置」「断固たる措置」という警告を待つことになる。
8時50分に発表される1月貿易統計(通関ベース)は季節調整前が1兆9259億円の赤字、季節調整済が2307億円の赤字と予想されている。1月のドル円の上昇は、新NISA(少額投資非課税制度)による円売り(※約8200億円規模との試算)が背景にあるものの、本邦実需筋による円売り圧力の継続を確認することになる。
9時30分に発表される10-12月期豪賃金指数は前期比+0.9%と予想されており、7-9月期豪賃金指数の同比+1.3%からの低下が見込まれている。6日に発表されたRBA四半期金融政策報告では、「賃金と労働需要への下押し圧力がさらに高まっており予想より早いインフレ目標への復帰が見込まれる」との見解が示されており、報告通りに賃金指数も低下しているか注目したい。
昨日発表された2月の豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨では、利上げの根拠は特にサービス価格などでインフレが予想より粘り強くなりかねないリスクが軸にあるとし、インフレが抑制されると確信するには、労働市場はまだタイト過ぎるだろうとの認識が示された。1月豪新規雇用者数は+0.05万人で、昨年12月の-6.51万人から増加、失業率は4.1%で、昨年12月の3.9%から上昇していた。
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