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14

2022-11

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2022-11-14
市場予測
ポンド売り再開、対ドルで1985年以来の安値更新、ポンド円は154円台割れ

ポンド売りが再開、英国のインフレ加速と景気減速懸念が高まっている。ポンドドルは1.0705まで下落、1985年以来の安値を更新している。ポンド円は154円割れ。ユーロポンドは昨年11月以来となる0.90台を回復している。米10年債利回りが時間外で3.74%台にまで上昇していることから、ドル買いも強まっており、ドル円は143.80円台まで上昇。ユーロドルや豪ドルドルは軟化している。

ドル円理論価格 1ドル=142.56円(前日比-0.52円)
割高ゾーン:144.10より上
現値:139.74
割安ゾーン:141.01より下

過去5営業日の理論価格
2022/11/11 143.08
2022/11/10 146.68
2022/11/09 147.66
2022/11/08 148.52
2022/11/07 148.61

(注)ドル円理論価格とは?
Klugチームが独自に開発したシグナルです。金利差、リスク許容度など様々な要素を勘案し、コンピュータで自動的に計算しています。理論価格を上回れば割高、下回れば割安と判断します。行き過ぎた相場は振り子のように修正されるため、押し目買い、戻り売りのメドを探す上で参考になります。

ポンドドル、1.05台回復、一時1.0350前後=東京為替

 ポンドドルは先週の金曜日に1.08台まで急落。節目の1.10を割り込んで動きが加速。週明け朝方に1.0760台を付けた後、いったんは買い戻しも、東京市場に入って再びの暴落。安値を割り込んで動きが加速し、一時。1.0350前後まで。その後1.05前後を回復。

GBPUSD 1.0498

【新興国通貨】ドル人民元での元安も継続=中国人民元

 週明けのドル人民元は7.14台を付けている。先週金曜日に節目の7.10超えを付け、金曜日海外市場で7.12台まで。週明けはオフショアが7.16台を付けたこともあり、中国市場オープンから元安が目立ち7.14台に。
 対円では円売りと元うちが交錯。20円10銭台中心に。

14:35 黒田日銀総裁、経済4団体共催懇談会で挨拶
15:30 雨宮日銀副総裁、全国証券大会で挨拶
16:00 デギンドスECB副総裁、講演
ナーゲル独連銀総裁、講演
シムカス・リトアニア中銀総裁、経済予測公表
16:30 黒田日銀総裁、記者会見
パネッタECB理事、講演
17:00 デコス・スペイン中銀総裁、講演
18:00 OECD経済見通し
20:40 ヴァルガ・ハンガリー財務相、講演
22:00 ラガルドECB総裁、欧州議会・経済通貨問題委員会公聴会に出席
23:00 コリンズ・ボストン連銀総裁、講演
23:30 センテノ・ポルトガル中銀総裁、イベント開会挨拶
27日1:00 ボスティック・アトランタ連銀総裁、討論会参加(質疑応答あり)
テンレイロ英中銀委員、講演
1:30 ローガン・ダラス連銀総裁、質疑応答
2:00 米2年債入札(430億ドル)
2:30 デコス・スペイン中銀総裁、経済見通しについて講演
3:35 オアNZ中銀総裁、討論会参加
5:00 メスター・クリーブランド連銀総裁、経済見通しに関する討論会参加(質疑応答あり)

アジア開発銀行(ADB)年次総会
国際原子力機関(IAEA)総会

※予定は変更することがあります

早朝のドル円はドル買い継続=東京為替

 先週末、ポンドドル主導でのドル全面高もあって上昇を見せたドル円は、週明けもう一段の上昇。ポンドドルのポンド売りドル買いが止まらず、早朝から大きく値を落としていることを受けて、ドル全面高基調の意識が広がっている。

USDJPY 143.63

早朝のポンドドル1.07台を付ける=東京為替

 先週末にトラス新政権の景気対策を受けた財政赤字懸念拡大から1.08台まで大きく値を落としたポンドドルは、早朝のオセアニア市場でもう一段の下げに。

【新興国通貨】ドル全面高に押される=メキシコペソ

 ドル全面高の中、先週末の中南米市場で中南米通貨安の動きが広がった。ドルペソはアジア午前の19.90台から20.25前後までの大きな上昇に。メキシコも今週末に大幅利上げが見込まれるなど、積極的な利上げ姿勢を示しているが、ドル全面高の勢いが強かった。
 欧州通貨売りからのリスク警戒の動きも、新興国通貨の向かい風に。

 対円でも7円13銭前後から7円08銭割れまでの下げが見られたが、ドル円の上昇もあって値幅は限定的。週明けは買い戻しの動きも。

テクニカルポイント ドルカナダ、下降トレンドを形成、雲下限がポイント

1.3899 ボリンジャーバンド 2σ上限(21日間)
1.3663 エンベロープ1%上限(10日間)
1.3636 一目均衡表・基準線
1.3610 21日移動平均
1.3551 一目均衡表・転換線
1.3533 一目均衡表・雲(上限)
1.3528 10日移動平均
1.3392 エンベロープ1%下限(10日間)
1.3321 ボリンジャーバンド 2σ下限(21日間)
1.3313 現値
1.3283 一目均衡表・雲(下限)
1.3229 100日移動平均
1.2979 200日移動平均

 ドルカナダは11月に入ってから下降トレンドを形成している。10+21日線のデッドクロス、RSI(14日)の50割れなど短期的に下値を模索するシグナルが点灯している。下値のポイントとしては一目均衡表の雲下限(1.3283)が注目される。

東京市場 ピボット分析(クロス円)
ピボット分析

ユーロ円
終値138.93 高値140.27 安値138.67

141.51 ハイブレイク
140.89 抵抗2
139.91 抵抗1
139.29 ピボット
138.31 支持1
137.69 支持2
136.71 ローブレイク

ポンド円
終値155.61 高値160.47 安値155.45

163.92 ハイブレイク
162.20 抵抗2
158.90 抵抗1
157.18 ピボット
153.88 支持1
152.16 支持2
148.86 ローブレイク

スイス円
終値145.95 高値146.60 安値145.01

148.29 ハイブレイク
147.44 抵抗2
146.70 抵抗1
145.85 ピボット
145.11 支持1
144.26 支持2
143.52 ローブレイク

豪ドル円
終値93.60 高値94.72 安値93.39

95.75 ハイブレイク
95.23 抵抗2
94.42 抵抗1
93.90 ピボット
93.09 支持1
92.57 支持2
91.76 ローブレイク

NZドル円
終値82.33 高値83.36 安値82.18

84.25 ハイブレイク
83.80 抵抗2
83.07 抵抗1
82.62 ピボット
81.89 支持1
81.44 支持2
80.71 ローブレイク

カナダドル円
終値105.53 高値105.84 安値105.17

106.53 ハイブレイク
106.18 抵抗2
105.86 抵抗1
105.51 ピボット
105.19 支持1
104.84 支持2
104.52 ローブレイク

通貨オプション リスクリバーサル 

ドル円  0.45-0.92  円コールオーバー
ユーロ円  0.81-1.54  円コールオーバー
ポンド円  1.31-1.94  円コールオーバー

※リスクリバーサルとは
同じ権利行使期日、取引金額、25%デルタのコールとプットを反対売買したときの差額をあらわしたもの。理論上はコールとプットの価格は一致するが、実際のマーケットでは通貨の需給に偏りがあるため、差額が生じる。

ドル円理論価格 1ドル=143.70円(前日比-2.98円)
割高ゾーン:145.27より上
現値:141.14
割安ゾーン:142.14より下

過去5営業日の理論価格
2022/11/10 146.68
2022/11/09 147.66
2022/11/08 148.52
2022/11/07 148.61
2022/11/04 148.68

(注)ドル円理論価格とは?
Klugチームが独自に開発したシグナルです。金利差、リスク許容度など様々な要素を勘案し、コンピュータで自動的に計算しています。理論価格を上回れば割高、下回れば割安と判断します。行き過ぎた相場は振り子のように修正されるため、押し目買い、戻り売りのメドを探す上で参考になります。

ポンドドル、早朝の下げからは買い戻し=東京為替
 
先週末に財政赤字懸念などに大きく値を落としたポンドドルは、早朝も流れが継続し、安値を更新。オセアニア市場で1.0760台を付ける動きに。さすがに過熱感もあり、その後は買い戻しが入り、1.08台を回復している。

1.0840

【これからの見通し】日米イベント後の荒れ相場は落ち着く、介入の効果はどこまで続くか

 週末のアジア市場は極めて落ち着いた展開となっている。今週は米国をはじめとした各国中銀の大幅利上げを受けて株式市場は軟調に推移している。しかし、円相場は前日の政府・日銀の円買い介入実施によって短期的には投機筋の動意が失われたようだ。ドル円は142円付近、ユーロ円は139円台後半、ポンド円は159円台後半などで膠着している。

 ただ、昨日の円買い介入について、ECB報道官は介入していない、と明言。米金融当局からも日本の介入に理解は示しつつも、自身の介入は否定していた。日本の単独介入とあって、協調介入ほどのアナウンスメント効果は期待できない。
 
 高インフレによる各国の利上げ継続姿勢は根強い。そのなかでの日銀の超緩和政策継続とあって、金利差拡大の面からの円安圧力は続きそうだ。政府・日銀が警鐘を鳴らした投機的な動きが、短期的に落ち着いただけに見えるがどうか。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、PMIの目白押し。フランス、ドイツ、ユーロ圏、英国、米国などの製造業および非製造業PMI速報値(9月)などが発表される。その他にはカナダ小売売上高(7月)の発表が予定されている。

 発言イベント関連では、ナーゲル独連銀総裁、ジョーダン・スイス中銀総裁の講演、パウエル米FRB議長が「Fed Listens」イベントで開会挨拶を行う。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

ピボット分析 東京時間(22:00現在)

ドル円
現値142.93 高値143.27 安値141.77

145.04 ハイブレイク
144.16 抵抗2
143.54 抵抗1
142.66 ピボット
142.04 支持1
141.16 支持2
140.54 ローブレイク

ユーロ円
現値139.45 高値140.27 安値138.91

141.54 ハイブレイク
140.90 抵抗2
140.18 抵抗1
139.54 ピボット
138.82 支持1
138.18 支持2
137.46 ローブレイク

ポンド円
現値158.14 高値160.47 安値157.47

162.92 ハイブレイク
161.69 抵抗2
159.92 抵抗1
158.69 ピボット
156.92 支持1
155.69 支持2
153.92 ローブレイク

 きょうのNY市場はリスク回避の雰囲気が広がり、為替市場はドル買いが強まった。前日のドル円は日本の当局による為替介入で一時140円台まで急落する場面が見られた。しかし、根強いドル買いが続く中で、きょうは143円台まで買い戻されており、為替介入による下げの半分を戻している。為替介入によってこれまで以上に145円超えに慎重になっていることが想定される中で、再び上値を試しに行くか注目される。

 FRBのインフレ対策への決意が世界経済をリセッション(景気後退)に陥らせるという懸念がさらに強まっている。今週のFOMCが予想以上にタカ派的だったことで市場では、経済縮小のリスクを過小評価してきたとの警戒感が広まっている模様。これまではマイルドな景気後退を見込む声が多かったものの、次第にハードランディングのシナリオも無視できなくなって来ているようだ。

 ユーロドルは0.96ドル台び下げ幅を拡大。2002年10月以来の安値水準。FRB同様にECBもここに来てタカ派姿勢を強めており、10月の理事会では0.75%ポイントの利上げの可能性を織り込む動きも見られているようだ。

 ただ市場では、ユーロ圏のリセッション(景気後退)を考慮すれば、ECBの利上げには限界があるとの見方も出ている。この日は9月調査のユーロ圏PMI速報値が発表になっていたが、製造業、非製造業とも前回から低下していた。景気後退の可能性が深まったことを示唆している。

 エネルギー価格高騰を背景にユーロ圏は冬に景気後退に陥り、その中でもドイツは最も深刻な景気後退に陥る可能性が高いという。製造業はエネルギーコスト上昇、長引く供給障害、需要減少などの重荷を負って苦闘を続けている一方、インフレが消費者の購買力を圧迫しており、サービス業も成長を著しく鈍化させている。冬場のエネルギー不足のリスクはいくらか軽減されているものの、依然として見通しにおける重要なリスクと指摘した。

ユーロ圏製造業PMI(速報値)(9月)17:00
結果 48.5
予想 49.1 前回 49.6
ユーロ圏非製造業PMI(速報値)(9月)17:00
結果 48.9
予想 49.1 前回 49.8

 きょうはポンドの下げがきつい。ポンドドルは節目となっていた1.10ドルをブレイク。1.08ドル台まで急落した。トラス政権がこの日発表した大型減税策を含む経済対策がポンドを圧迫している模様。1972年以来の大規模な減税を打ち出し、所得税と法人税の両方を引き下げる。不動産購入時の印紙税も削減。また、光熱費高騰への対策として、今後6カ月間で600億ポンドを拠出して支援する。5年間で計1610億ポンド規模となり、市場は逆に財政赤字拡大への懸念を強めているようだ。

 ただ、インフレへの懸念から、英中銀の利上げ期待も高まっており、短期金融市場では11月の英中銀金融政策委員会(MPC)での1.25%ポイント利上げを織り込む動きが出ている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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